
左:冷凍「いしる干しイカカレー」イメージ、右:「いしる」100㎖
さすらい食堂は、能登・輪島の伝統発酵調味料「いしる」の生産者である舳倉屋が廃棄してきたイカの端材を活用し、冷凍カレーを製造する「復興応援プロジェクト」を立ち上げた。
同プロジェクトは、1月31日(土)までクラウドファンディングをCAMPFIREで実施している。
廃棄される「うま味の宝物」を価値ある商品へ

舳倉屋 女将 岩崎律子氏
同プロジェクトで活用しているのは、舳倉屋が製造する「イカのいしる干し」の工程で発生するイカの端材だ。製品をカットする際に生まれるこれらの端材は、うま味が凝縮され味に優れている一方、形状が不揃いで細かいために商品化が難しく、これまで年間約30万円の費用をかけて産業廃棄物として処分されてきたそう。
さすらい食堂は、この捨てられてきた「うま味の宝物」を譲り受けることで廃棄コストの削減に寄与し、石川県内における継続的な「仕事と収入」を生み出し、伝統発酵調味料「いしる」の文化を未来へ残す一助となることを目指している。

「いしる干しイカカレー」イメージ
同プロジェクトでは、さすらい食堂が得意とするスパイスを活かし「いしる干しイカカレー」のレシピを開発。
端材の量に限りがあるため、年間約2,500個の製造が上限となる限定商品だ。

レトルト試作品
当初はレトルト化も検討されたが、高温加熱殺菌処理によって風味の再現性が損なわれるという課題に直面したそう。

「いしる干しイカカレー」イメージ
そこで、一番おいしい状態をそのまま閉じ込められる冷凍製法を採用し、「いしる」の一夜干しの凝縮されたうま味とイカの食感を最大限に引き出した一皿を完成させた。
持続可能な「仕事と収入」をつくる地域連携
今回のプロジェクトは、石川県内における継続的な「仕事と収入」を生み出すことも目的としている。
製造は、石川県白山市の就労継続支援B型事業所である「生きがいワークス白山」に委託。将来的には石川県内での販売を目指している。
今回のクラウドファンディングを通じて、県内で取り扱ってもらえるみやげ物店や道の駅、百貨店、デパート、物産館などとの新たな縁が生まれることを期待しているとのこと。なお、クラウドファンディングの目標金額は700,000円だ。

リターンには、「冷凍いしるカレー」3個と「いしる」100mlがセットになった初回40セット限定の「冷凍いしるカレー満喫セット」5,000円や、

「冷凍いしるカレー」を家庭で作るオンライン料理教室と調理キット、「冷凍いしるカレー」3個といしる100㎖がセットになったプラン13,000円、

さらには、初めて間借りやキッチンカーで挑戦したい人を応援する「小規模出店・キッチンカー向け営業権セット(カレー15個)」30,000円などを用意している。
プロジェクトの原点とこれまでの実績

さすらい食堂 代表 北村武男氏
「いしる干しイカカレー」の企画が立ち上がった背景には、さすらい食堂の代表・北村武男氏の経験が深く関わっているそう。

同氏は、兵庫県出身で小学生の時に阪神淡路大震災を経験し、1995年発災当時は母と被災地ボランティアに参加。その後、学生時代に上京し社会人として働いていたタイミングで東日本大震災を経験した。福島や岡山での被災地支援活動などを通じ「困っている人のそばに立ち続けたい」という想いが原点となっているという。
こうした想いの中、2024年の能登地震発災直後に縁があった金沢のホテルへ行き、二次避難している人たちへ食事提供のサポートを実施。それ以降、何度か復興に向けた支援活動に参加することで、舳倉屋との縁がつながり今回のプロジェクトに至った。

2025年5月以降、全国各地で試作や提供の機会を設けている。
同年5月に実施された、舳倉屋敷地内で行われた炊き出し及びコミュニティメンバー交流会に参加。

同じく5月に開催されたキャンプイベントにて、今回使用しているいしる干しイカの端材を使ったカレーを制作し参加者に振る舞った。

同年7月には、東京都内で200人以上が参加したというイベントにて、キッチンカーを出店し「いしる干しイカカレー」を提供した。

さらに、同年11月に愛知県豊田市で実施された古民家マルシェイベントにて制作し、提供したほか、

同年12月に石川県立音楽堂で開催された「復興支援音楽堂マルシェ」に出店するなど、各地で「美味しい」という多くの声が寄せられたそう。
能登・輪島の伝統が生み出した「いしる」のうま味を、冷凍カレーという新たな形で味わいながら、地域の復興と文化継承を支援してみては。
CAMPFIRE:https://camp-fire.jp
プロジェクト名:能登へぐら屋│復興応援│廃棄された『旨味の宝物』を冷凍いしる干しイカカレーに!
さすらい食堂公式HP:https://www.sasurai-diner.com
(丸本チャ子)